精神科医療でよく使われる略語を50個以上紹介!(精神科歴の浅い方へ)

精神科医療でよく使われる略語精神看護の実践


こんにちはー意識低い看護師のはむです

さて、医療業界で働く看護師の皆さま
医療業界を目指す看護学生の皆さま

医療の現場では常日頃略語・略称が飛び交っています

精神科でも例に漏れず様々な略称が飛び交っています


んで今回は私がよく見かける、精神科医療でよく使われている略語について書いていきたいと思います

ただただ羅列していくだけなので暇な人は見てください

あと、中には蔑称と捉える人もいたりするので注意してください


ちなみに精神科のことをプシ科(psychiatry)という言い方をする人がいます
私は使ったことないですけどね

それでは早速行ってみましょう


目次

スポンサーリンク
スポンサーリンク

精神科医療でよく見かける略語:病名・診断名


Sz:統合失調症

Schizophrenia から来ています

文献などではScと略されることが多いです。

Sとだけ言う人もいます 精神科で一番多く飛び交う略語かもしれませ

※ICD-10を使っている所とかだったりするとF2っていう人もいます



MD:仮面うつ病

Masked Depression から来ています

仮面うつ病とは簡単に言うと【うつ病の心の症状より体の症状が表面化してしまってて本来の心の症状が見えにくくなっているうつ病】って捉えてもらったらいいかなと思います

・MDD:大うつ病性障害

Major depressive disorder から来ています

【大】うつ病と聞いて勘違いする人もいますが、症状が重いというよりmajorという英語を和訳した結果大とついているだけっぽいです

・MDI:双極性感情障害

Manic-Depressive Illness から来ています


※気分障害圏の患者さんのことをまとめてF3っていう人もいます

・MR:精神発達遅滞 

Mental Retardation から来ています

薬の営業で来る医薬品情報担当者のこともMRと言うので。初めて聞くと混同します

F7という人もいます


・ATD:アルツハイマー型認知症

Alzheimer Type Dementia から来ています

認知症の略語って臨床では殆ど使われない気がしますが、医師のカルテなり論文なり読んでると頻発してくるのでめんどくさいです。以下の認知症略語も同様です

・VaD 脳血管性認知症

Vascular Dementia から来ています


・DLB:レビー小体型認知症

Dementia with Levy Bodies から来ています


・FTD:前頭側頭葉型認知症

Frontotemporal dementia から来ています

ピック病って言ったりする人が多いです


※認知症をまとめてF0って言い方する人もいます



・PDD:広汎性発達障害

Pervasive Developmental Disorder から来ています

こちらも臨床で飛び交うというよりは医師カルテや論文で頻発します



・ADD:注意欠陥障害

Attention Deficit Disorder から来ています


・ADHD:注意欠陥多動性障害

Attention Deficit Hyperactivity Disorder から来ています

この略語は有名ですよね



・LD:学習障害

Learning Disability から来ています



・PD:パーソナリティ障害

Personality Disorder から来ています



・BPD:境界性人格障

Borderline Personality Disorder から来ています



病名・診断名でよく見かけたり使っている略語はこの辺ですかねぇ・・・PTSDやらDIDあたりはすんません、省かせてください 多いんじゃよ略語

実際看護師同士のコミュニケーションで使うことは少ない略語も多いですが、医師のカルテではバンバン使われているイメージがありますなあ・・・



精神科医療でよく見かける略語:薬関係


メジャー:メジャートランキライザー・抗精神病薬

主に統合失調症の治療や双極性障害の躁期なんかでよく使われる定型抗精神病薬・非定型抗精神病薬・持続性抗精神病薬らへんの薬の事をまとめてメジャーなんて言ったりします

トランキライザーって言うのは簡単に言うと【気持ちを落ち着かせる精神安定剤】みたいなもんだと思っていただければと思います。

精神科で出される薬大概そうだと思いますけどね

ちなみに用語をあまり使わないようにしようって動きもあるようですが、いまだに多くの精神科でこの用語は使われている気がします。私もつい言っちゃいます。後述するマイナーも同様です。



・マイナー:マイナートランキライザー・抗不安薬・睡眠薬

主に不安障害(神経症)やうつ病、心身症(精神身体症)などに利用される抗不安薬や睡眠薬あたりのことを言います
殆どの場合ベンゾジアゼピン系抗不安薬(後述)を指します
メジャーよりも鎮静力は弱めです
ちなみに作用機序はメジャーと全然違います



・ベンゾ:ベンゾジアゼピン系不安薬・睡眠薬
前述通りです
種類や作用機序、副作用についてはこの記事で書きませんー
たまにベンゾじゃないものをベンゾと言ってたりする人(ルネスタをベンゾとか言う)がいたりするので注意です


・SDA:セロトニン・ドパミン遮断薬  DSA:ドパミン・セロトニン遮断薬

非定型抗精神病薬の種類の一つです。

SDAはリスペリドンやペロスピロン(ルーラン)、インヴェガあたりの薬を言います

DSAはロナセンがあります



・MARTA:多元受容体遮断薬

非定型抗精神病薬の種類の一つです
オランザピン(ジプレキサ)、クエチアピン(セロクエル)、シクレスト、クロザリルらへんの薬です



・DSS:ドパミン部分作動薬

非定型抗精神病薬の種類の一つです

アリピプラゾール(エビリファイ)があります


・RIS:リスペリドン
・ORZ:オランザピン(ジプレキサ)
・QEP:クエチアピン(セロクエル)
・APZ:アリピプラゾール(エビリファイ)
・BLN:ロナセン(ブロナンセリン)
・CZP:クロザリル(クロザピン)


この辺は非定型抗精神病薬でよく見かける略語です
医師カルテや論文、申し送り表などでよく見かけます

一般名と商品名ごちゃごちゃに括弧つけしてますが、覚えやすいようにってだけなので気にしないでください



・CPZ/CP クロルプロマジン(コントミン)
・HPD ハロペリドール(セレネース・リントン)
・ZTN:ゾテピン(ロドピン)
・LEV:レボトミン(ヒルナミン)


この辺は定型抗精神病薬でよく見かける略語です

CPとかはCP換算(クロルプロマジン換算)とかでよく見かけますね。
またCPは臨床心理士クリニカルパスの略語でもあるので、新人さんはわりと混乱しやすいイメージです



・ジブ注/ジプ筋:ジプレキサ筋注

陽性症状、衝動性活発な方で経口投与もままならない患者さんにやむを得ず実施する注射ってイメージです



・リンタス/セレタス:リントン・タスモリン(セレネース・タスモリン)

定型抗精神病薬と副作用止めの注射のセットです。

筋注・静注・点滴なんでもいけます一

2021.6.15追記

ハロペリドール+アキネトンでハロアキと略して言う所もあるみたいです


・レボヒベ:レボトミン・ヒベルナ筋注

こちらも定型抗精神病薬と副作用止めの注射のセットです。




・LAI/デポ剤:持効性注射製剤

抗精神病薬の持効性注射製剤が最近よく導入されてます

リスパダールコンスタ・エビリファイ・ゼプリオンなどの非定型抗精神病薬のLAIがよく使われますし、LAI導入のため経口投与のスイッチングが行われてたりします

フルデカシン・ハロマンスなどの定型抗精神病薬のLAIもありますが、あーんまり見かけませんねー
ベテランの患者さんのイメージです


OD:過量服薬・大量服薬

Overdose からきています もー有名ですよね


EPS:錐体外路障害

Extrapyramidal symptom から来ています

抗精神病薬の副作用の一つである薬剤性パーキソニズムの略語です


※追記

VDS::眠前薬

vor dem Schlafenから来ています 




薬関係の略語はこの辺にしておきます


抗うつ薬(三環系・四環系・SSRI・SNRI・NaSSA)あたりも医師カルテなどでも見かけることは見かけますが看護師同士の会話でそこまで頻発することはないですので省きます だるい

あと精神科でもワッサーやらツッカやらその他諸々の略語は飛び交いますが、精神科特有ではないので省きます きりがねえ


https://notautinurce.com/2021/09/08/matome/

精神科医療でよく見かける略語:その他


■職種関連


・指定医:精神保健指定医

精神保健指定医の先生に指示を受けなければいけない事は色々ありますがここでは省きます

特定医師の先生からの医療保護入院・応急入院や行動制限の指示などは指定医の先生に指示をまたもらわなくちゃいけないので、どのような違いがあるかは勉強必要です


OT/OTR:作業療法士

Occupational Therapist Registered から来ています

※ OTA:作業療法アシスタント occupational therapy assistant


・PSW:精神保健福祉士

Psychiatric Social Worker から来ています

※追記 今はMHSW(mental health social worker)と呼ぶそうです。


・CP:臨床心理士

Clinical Psychologist から来ています


・Ph:薬剤師

Pharmacist から来ています



■治療関連


・ピネル:拘束帯

販売元の会社名から来ています


・サルバ:拘束帯(サルバフィックス)

こっちは商品名だそうです。ややこい


2021.6.15追記

セグフィックスという拘束帯もあるようです。知らんかった。



・ボッチ・黒ボッチ:拘束帯につける磁石

拘束帯を固定するために拘束帯につけておく磁石で

ボッチを取り外ししたり磁石式のミトンや介護衣を取り外しするための磁石をマグネットと呼ぶことが多く、混同しないようにボッチと言ったりします

職場によって言い方変わるかも?


20216.15追記

黒ボッチの正式名称は【パテント】
黒ボッチ部分を【パテントボタン】
受け手のピンを【パテントピン】
黒ボッチを外すための磁石を【パテントキー】

というようです

知らんかった!!


・ECT:電気痙攣療法

Electric Convulsive Therapy からきています

あんまり導入している精神科は多くないです



・EEG:脳波

ElectroEncephaloGram からきています

精神科ではよくとりますが私は見てもなーんにも分かりません


CP:クリニカルパス

精神科救急でもクリニカルパスを導入している病院は多いです



23条通報:精神保健福祉法23条(警察官による通報)

警察官は、職務を執行するに当たり、異常な挙動その他周囲の事情から判断して、精神障害のために自信を傷つけ又は他人に害を及ぼすおそれがあると認められる者を発見したときは、直ちに、その旨を、もよりの保健所長を経て都道府県知事に通報しなければならない。

ってやつです。精神科救急でこのワードが出るとピリッとします
緊急措置・措置入院の可能性があるからです

23条通報→措置診察の可否→措置診察の通知→措置診察みたいな流れです

詳しくは調べてみてください

たまに24条通報(検察官からの通報)もあります



まとめ


精神科でよく使われる略語はこれくらいですかね

もしかしたらまた更新するかもしれません

ではー



コメント

  1. […] 独断と偏見ですが、個人的にはむさんの記事でかなり参考になったのが『精神科医療でよく使われる略語』という記事。 […]

タイトルとURLをコピーしました