こんにちわー意識低い看護師のはむです
前にこんな記事を書きました↓
ここでは死にたいと述べてきた【希死念慮のある患者さん】への対応について書きました
んで、最近ツイッター眺めてたら「希死念慮のある患者さんに自殺しないでくださいって約束するのどーなん??」というツイートが流れてきてて私としては「今更そんな対応する精神科看護師おる??」と思いましたが、わりといろんな方が見解を述べていました
んで、自分の今まで働いてきた職場を振り返ってみると「自殺しないって約束して!!」って対応している看護師そういえばおったなあって思ったのと
今までの職場で用いられていた自殺リスクアセスメントシートに【自殺しないと約束できる】みたいな項目あったなーって思ったので
精神科看護師ブロガーとしては触れないわけにいかねえ!となったため今回は
【自殺しないで下さいと約束する】という関わりについてをテーマに記事を買書いていこうと思います
※この記事は
臨床評価 47巻 1号 2019 【自殺しない誓約は有効か?】 齊尾.栗原
http://cont.o.oo7.jp/47_1/p153-62.pdf
の文献を根拠に書いています
というか、この文献を意識低い看護師がスーパー易訳して述べてるだけなのでちゃんとした文章が知りたければそちらを参照ください。
もしかしたら私の解釈違いがあるかもしれませんしね!お医者さんの論文難しいですな
目次
自殺しないでくださいという約束って何か
さて、自殺しないでくださいという約束なんぞやって話なんですが
これは自殺しない誓約を結ぶという自殺予防戦略のことを言います。NSC(No suicide cortract)戦略とも言います
日本ではわりと古くからうつ病の精神療法として使われてきたものだそうでmこの戦略が最初に提唱されたのは1973年だったそうです。今から大体50年前に提唱された理論です
自殺しないでくださいって約束の有効性について
なんかこのNSC戦略とかいうやつ、元々信頼性に欠けるもので、自殺予防としてNSCは有効なのかということは微妙なものだったそうです
それでこの論文の著者は文献検討を通してNSC戦略の有効性について考察したそうです
自殺しない約束の有効性の評価は困難
そもそも
- この研究をする際に、患者さんにNSCについて隠して研究に参加してもらうことは困難である
- 日本で長く利用されてきた戦略であり、NSC戦略を実施した人と実施していない人の比較は倫理的な問題でできない
- この戦略を長く利用してきた医療者側の心理的な抵抗
とかの問題でこのNSC戦略というものの有効性についての評価は困難だそうです
そらそーですよね。評価しようがないものだよなあと私も感じます
患者さんへの影響
そもそも希死念慮のある患者さんが「自殺しないってとりあえず約束したら、この窮屈な状態から脱出できるんでしょ?」って判断力があったら、自殺する気満々でも「はい!自殺しません!」って答えちゃいますよね
結局これって自殺リスク下がってませんし自殺リスクのアセスメントも正しく行えていませんよね?
また医療者側に不信感のある患者さんや構って欲しい患者さんだったら、自殺リスクが少ないのにも関わらず「そんな約束できません!」って答えちゃう患者さんもいると思いますので
やっぱり自殺リスクのアセスメントは正しく行えません
またそもそも精神状態の変動が激しくてそもそもそんな約束をできる判断力の無い患者さんもいますよね
そんな状態の人に対するNSCとか無効だと思います
また医療者に信頼している患者さんであれば有効かもしれないらしいですが
そもそも医療者を信頼してくれている患者さんに自殺しないでくださいって約束は果たして必要なのか?というのもあります
援助者への影響
ただこのNSC戦略は医療者のストレス軽減には有効かもしれないそうです
希死念慮のある患者さんの対応ってやっぱり、すごいストレス感じます
そのストレスが原因でその患者さんに強く当たってしまったりして患者さんとの信頼関係を損ねる場合も多いと思いますし、実際そんな場面アホほど見てきました
NSCでそんなストレスに思う気持ちを蓋しちゃうことでストレス軽減できるかもしれないそうです
ただ、そもそもその気持ちに蓋をして精神看護を行っていくのって
ホントに患者さんに寄り添ってる?私は思っちゃうので良いのか悪いのか分かんないんですけどねー
まとめ
てなわけで自殺しないでくださいって約束をまとめると
- 有効性は分からん
- 自殺リスクアセスメントの妨げになる可能性がある
- 医療従事者のストレス軽減になるかもしれんけど、ホントにそれでいいのかは微妙
ということになります
近年このNSC戦略とか言うヤツは大分精神科医療から消えつつあるとも言われていますし私も否定的な意見です
ただ、このNSC戦略を用いた結果自殺を防ぐことが出来たって例もおそらくあるので、一辺倒に否定するわけにはいかないよなあとは思いますけどね
ありがとうございました!またね!
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