意外と細分化されてる!精神科病棟の病棟機能一覧

意外と細分化されてる!精神科病棟の病棟機能一覧精神科病院への就職・転職

こんにちはー意識低い看護師のはむです

さて、私の働いている【精神科病院】

精神科で働いたことの無い看護師さんなどは【精神科】と一緒くたにされがちなのですが、実は精神科でも病棟機能が細分化されている場合が多いです

そこで働く看護師さんの働き方もまた、変わってくるもんなんですが、どうしても外から見ると「同じ精神科でしょ?」と言われちゃいがちです

ということで今回は、精神科を知らない看護師さん、精神科を志す学生さん向けに【精神科病棟の病棟機能一覧】というテーマで記事を書いていこうと思います

精神科看護師さんでも知らない病棟機能はあるかもしれません

ということで早速行ってみましょー


目次

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精神科の救急・急性期病棟

精神科の急性期といっても種類の病棟に分かれます

【精神科救急病棟(いわゆるスーパー救急)】【精神科急性期病棟】です

一緒くたにされがちなこの2つの病棟ですが、看護師の人員配置(救急:10対1 急性期:13:1)や地域移行率(救急:6割 急性期:4割)など設置基準に違いがあります

んで、1日当たりの入院費が倍まではいかないにしろ、かなり差があります


必ずしも精神科病院全ての病院に上記2つの病棟があるわけではないです。精神保健指定医や看護師の確保が難しく、また病棟に個室を増やさなければならないなど費用も掛かることから、設置していない病院はわりと多いです


ただ、人員も豊富で設備投資もしっかりしている精神科病院の中には複数個の救急病棟・急性期病棟を持っているようなところもあります


そういう病院は、同じ救急病棟でも病棟機能を分けていたりするような病院もあったりします

以下に病棟機能を書いていきますね


クリティカル


救急病棟の中には自傷・他害のリスクが高く、精神疾患でも「急性で重症度の高い」患者さんを多く受け入れる病棟があります

大抵そのような救急病棟は観察室・保護室・PICUなどを多数有していたりします

男性看護師も数多く配置されていることが多い病棟です


患者さんの急性増悪期の受け入れ対応及び看護が主な業務になります

回復期


急性増悪期から脱し、ある程度落ち着きを取り戻した回復期の患者さんにとって、刺激の強いクリティカル病棟が治療環境には適さなくなることが往々にしてあります

そのような場合、救急病棟の中でも回復期の患者さんが多い病棟に転棟となるなることがあります

それがこの回復期の病棟です

また自傷他害のリスクは少ないけど入院加療の必要な患者さんなどはこの病棟に直接入ることもあります



また、同じフロアの中で、完全に急性期と回復期の患者さんとを物理的に分けているような病棟もあったりします(地域移行率の兼ね合い?)

退院支援が主な業務になってくることが多いですかね。

もちろんクリティカル病棟でも退院支援はありますけどね


ストレスケア


こちらは社会生活に疲れたりなど、レスパイト目的で入院する患者さんが多い病棟です

気分障害圏の患者さんやパーソナリティ圏の患者さんが多いイメージです

また統合失調症患者さんでも地域生活に疲れた方が来られたりします

有料個室を多く有している病棟もあります


任意入院の患者さんがわりと多い病棟です

携帯電話の使用が限定的に許可となっていることが多いなど、わりと行動制限はゆるめな病棟が多いですかね


アルコール依存、その他精神作用性物質乱用


アルコール依存症の患者さんの受け入れ病棟です。薬物中毒の患者さんなんかもいたりします。

アルコール依存の個別心理教育や集団療法などを取り入れている病棟が多いです

自助グループなどと関わる機会は多いですかね

アルコール呼気チェック機など置いてあったりします(単独外出や外泊時に飲酒してくることがあるので)


認知症



精神科救急でも認知症患者さんは多く入院します

ADLの自立したBPSD(認知症周辺症状)が活発な患者さんなどが入院されますが、ADLの低下した患者さんも多く、救急の中でも身体介助は多めな病棟だったりすることが多いです

また施設などで自傷他害のあった患者さんなども来たりします

状態がよくなり、家族受け入れが良好ならそのまま退院となる例もあれば

状態が良くなっても家族受け入れ不良のため、自前の認知症病棟に行ってもらったり、他院・他施設に送り出したりすることもあります




精神科救急・身体合併症病棟

数は少ないですがこのような病棟を設置しているところもあります

精神科救急・合併症入院料という加算もあります



精神疾患を持ちながら身体疾患の治療が必要な患者さんの入院受け入れを行っている病棟です

内科的治療、外科的治療も行える精神科病棟って捉えてもらったらいいのかなと


施設基準に救命救急センターを有している必要があると書いてあるため、総合病院の中の精神科病棟でそのような加算を取っている病棟があると思っていただけたらいいのかなと思います

私は精神科単科なので空気感はあまり分かりません

その他

病院によりけりですが、同じような年代層の患者さんを受け入れる基準としている病棟や、男性・女性の救急病棟なんかを設置している所もあります

私はあんまり見たことないです。空気感が分からないので紹介程度に留めておきます


また上記に書いた機能のみ有している病棟は思いのほか少ないのかなと言った印象です(ストレスケア+アルコール依存)


精神科の社会復帰期・亜急性期病棟


救急病棟、急性期病棟で算定の取れる期間である3か月の間に退院できなかった患者さんなどのうち、比較的状態が穏やかで入院治療にも理解のある患者さんなどは社会復帰病棟・亜急性期病棟にいったりします

閉鎖病棟の場合も開放病棟の場合もありますが、比較的開放病棟である場合が多いのかなと言った印象です


デイケアや訪問看護、その他社会資源とのつながりも深く、ぴあサポーターなども介入していることが多いです

新規長期入院患者さんを防ぐ、または長期入院患者さんの地域移行を目指す病棟です


が!地域移行できず、比較的穏やかで退院困難な長期入院の患者さんばかりになっている、名ばかり社会復帰病棟も中には存在します




基本的に数ある【精神科療養病棟】や【精神科一般病棟】の中の一つとして社会復帰病棟として運用されている病棟が多い印象ですが

【地域移行機能強化病棟】という加算をとって、地域移行に力を注ぐ社会復帰病棟も存在していたりします



精神科の慢性期病棟


おそらく日本で一番病棟数の多い病棟機能じゃないでしょうか。精神科の慢性期病棟です

【精神科療養病棟】【精神科一般病棟】となっている病棟が多いです

閉鎖病棟が多く、救急の3か月の間でも精神症状の改善があまり見られず、開放病棟での対応も困難な患者さんなどが入院します

この病棟で治療を継続していき、社会復帰病棟につなげていくといった捉え方で良いのかなと思います

男性患者さんのみが入院している、男性慢性期病棟や女性患者さんのみが入院している女性慢性期病棟などを設置している病院は比較的多いのかなといった印象です

全国的に無くなってきている風潮は有りますが、中々無くなっていかないのが現状です


看護師も男性病棟には男性看護師を、女性病棟には女性看護師を配属しているしている病院は多いですが、こと男性病棟に限っては、男性看護職員が少なく、普通に女性看護師が配属になることもあります

また、女性病棟にも男性看護師は配属になることはあります


もちろん、男女混合の慢性期病棟も普通にあります


クロザリル病棟


重度かつ慢性の統合失調症患者さん(治療抵抗性統合失調症)が適応となる抗精神病薬のクロザリル(クロザピン)というものがあるのですが、この薬中々厄介なもので、無顆粒球症っていう重篤な副作用が発生しやすいと言われています。

その副作用の80%は服用開始18周以内に起こるって言われているため、この薬を導入する患者さんはモニタリングが欠かせず原則18周の入院期間が必要となってきます

その代わり、治療抵抗性統合失調症患者さんの最後の切り札とも呼ばれている薬なんですけどね

そのクロザリルを導入するための専門病棟を有している病院は数少ないですが存在しています

精神科の高齢者・老年期病棟


さて、慢性期についで精神科で多いのが老年期病棟かなと思います


・長期入院患者さんである程度のADLは残っているものの、慢性期病棟が治療環境と適さなくなってきてきた患者さんや、救急から退院できず治療継続となった高齢の患者さんなどを受け入れる【精神科療養病棟】【精神科一般病棟】のうち高齢者・身体合併症病棟として運用される病棟

・上記の病棟よりさらに重症度、介助依存度が高く、機能強化して加算をとれるようにしてある【特殊疾患病棟】

・認知症患者さんを受け入れる【認知症治療病棟】


などがあるかなと思います

精神科でも他の領域と比べ、処置や介助の量は桁違いに多い領域かなと思います

身体的なことを学べる機会が多いため、わりと新卒の看護師が配属になったりすることが多いのかなといった印象です

また身体科経験のある看護師さんが多い印象もあります

病院によりけりでしょうが




精神科の児童・思春期病棟


こちらは精神科の小児領域です

介入の必要な児童・思春期の患者さんを受け入れる病棟です。学校が併設されており、【治療】【療育】の柱で介入を行っていきます

そのため大人の精神科よりもさらに他職種(児相・教員・保育士など)が連携し介入を行っている領域です

全国的な設置数はかなり少ないですが、発達障害などを抱えている子どもが多くピックアップされるようになった今、精神科医療では重要な立ち位置にある病棟です

ちなみに、大人の精神科でも児童・思春期の患者さんは入院してきますので、子どもに関することの勉強も精神科では必要だったりします

私はこども苦手です


医療観察法病棟


都道府県に一つ以上は必ず設置されている医療観察法(正式名称:心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律)病棟です

精神障害のために他害行為を行ない責任能力がないとされた者に対し、裁判所の指示により 法律に沿って治療と処遇を実施し、安心で安全な社会復帰を促進することが目的とされている病棟です。

医療観察法についてはここでは詳しく書きませんし、私も詳しいわけではありませんのでまた自分で勉強してみてください

精神科でも最も高規格な病棟といっても過言無いと思います

治療のプログラムを多く組まれており、医療観察法病棟で取り組まれていたプログラムを他の病院が参考にしたりすることもありますね


もちろん私も勤務経験は無いです

ただ、ごくまれに【鑑定入院】という入院形態で入院してくる患者さんもおります。その患者さんも医療観察法関連の患者さんなので、我々も関わらないわけではないです






まとめ

以上が私の知っている精神科病棟の病棟機能です

また、「この病棟機能書いてない!」「この書き方間違ってる!」などがありましたら、コメントなりTwitterのリプなりで意見をもらえればと思います


案外細分化されているんです

もちろん私も働いたことのない領域はあります


精神科病院によって、病棟の運用の仕方はまるで変わってきます


なので、精神科病院に就職をお考えの際はその辺の情報収集もしといてくださいね

ポロリもあるよ
https://notautinurce.com/2021/07/18/seisinnsosusume/



以上です

またね!

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