こんにちはー意識低い看護師のはむです
さて、今では見かけることは少なくなりましたが、SNSで「精神科、勉強しなくても働ける。めっちゃ楽!」みたいな投稿は散見します
過去、ツイッターでプチ炎上してた精神科看護師さんもいました
あと、病院外の精神科看護師さんと話す機会があった時「精神科って身体に比べて全然勉強しなくても働けるから、身体科でしんどい人にはおおススメしてるんだー」なんてことを言っている精神科看護師さんもいました
今回はそんな「精神科は勉強しなくても働けるよ!」という噂について、現役で精神科病棟に勤務する意識低い看護師が書いていこうかなと思います
目次
身体科出身の看護師さんなら精神科で働くことだけならできる
先に結論を述べると、私は意識低いので「身体科出身の看護師さんなら勉強しなくても精神科で働くことだけはできる」と思っています
精神疾患の患者さんの身体的な処置はあるわけですし
身体科出身の看護師さんはある程度慣れてきたら、あとは身体科で身に着けた技術で働いていけるんじゃないかなって思います
・患者さんの食事摂取状況を観察して嚥下状態を確認することもできるでしょうし
・患者さんの皮膚状態の観察、ケアは行えるでしょうし
・患者さんの排泄介助はできるでしょうし
・患者さんの入浴・更衣介助はできるでしょうし
・患者さんの部屋の環境整備はできるでしょうし
・患者さんに依頼された代理購入はできるでしょうし
・患者さんの気分転換活動のお供はできるでしょうし
・患者さんの入院生活上の問題行動に関して指導するだけならできるでしょうし
・患者さんの急変時の対応もできるでしょう
あとは投与されている薬の効果や副作用について勉強したり、行動制限について少し勉強したり、病院ごとのやり方やルールを覚えていけば、精神科で働くことだけならできると思います
ある程度患者さんに対して陰性感情を抱き続けながらも、毎日のあまり多くない業務をこなしていくだけなら、差し支えないんじゃないかなと思います
実際現場でも全く精神看護について勉強せずに、身体科経験と自分の価値観と経験値だけで精神科に従事している看護師さんは存在していると思います
実際私もそのような看護師さんを多く見てきてます
殆ど自発的な勉強してきていないけど、精神科患者さんとの長い期間の関わりを経た上で現場での知識を身に着け、熟練した精神看護技術を有している精神科看護師さんも多いです
長い期間をかけ患者-看護師関係を築いていっているベテラン看護師さんは数多くいますし、そんなベテラン精神科看護師さんを信頼している長期療養患者さんも数多くいます
そんなベテラン精神科看護師さんの精神看護はいつも素敵だなあと思っています。
精神看護の経験値は馬鹿にはできません。
一人一人症状の違う精神科の患者さんの対応を行うわけですから、場数を多く踏むということは精神科で働くうえで大切なことだと思います
※ベテラン精神科看護師さんのすべてが不勉強とか言っているわけじゃないです。勉強しているベテラン精神科看護師さんは数多くいます。ただ、あんまり勉強していないベテラン精神科看護師さんもいると言っているだけなので、ベテラン精神看護師さん!誤解しないでくださいね!
あとたまに、不勉強だわ価値観ねじ曲がっているわ、どーしよーもねーなこのベテラン精神科看護師って私が思う人もいるのも事実ですので、参考にするベテラン精神科看護師さんの取捨選択は必要だと思います
勉強しなきゃ精神看護の実践はできない
さて、「身体科出身の看護師さんなら勉強しなくても精神科で働くことだけはできる」とは言いました
そう、働くことだけならできます
精神看護の実践が出来るとは限りません
上記で述べた行えるリストは「精神科入院患者さんの療養上の世話」なんですが、それを実践しているだけで精神科看護の実践を行っているとは到底言えません
患者さんと治療的関係を結び、患者さんの思いや意向を引き出し、患者さんの意向にそぐわない現状の改善に向けて、患者さんや他職種と共に介入していき、患者さんのその人らしい人生を歩んでいただくための援助を行っていく
それで初めて精神看護の実践をしていると言えるのではないでしょうかね、って私は思います
療養上の世話をしているだけでは、とてもとても精神看護の実践をしているとは言えませんよね
精神科病院はあくまで患者さんの通過点となる場所であって、ゴールではありません
終末期医療を標榜していないので、ゴールとして設定されている医療機関ではありませんよね(一部除く)
んでも、療養上の世話のみ実践してても、患者さんの人生は前に進みませんよね
患者さんが自力でなんとかしようとしなければ前には進まないのですが、自力だけではどうにもできない患者さんが数多く入院しているんです
我々医療従事者がその人らしい人生の手助けをしていくのが精神科です
そしてその精神看護の実践を行っていく上で、精神看護の勉強ってのが必要になってくるんです
精神看護の勉強を進めていく上で、精神科入院患者さんの人生の全身に向けてのツールが沢山存在していることに気づきます
精神看護も時代とともに進歩していっていますし、治療的関係の構築、治療的コミュニケーション技法だけでなく、様々なツールが精神看護には存在しています
ただ、勉強する範囲は非常に広くて深くて、いくら勉強しても時間が足りません
「精神科は勉強しなくても働けるが、踏み込んでいくと沼にハマる」
なんてよく言いますが、そんな理由があるんです
精神看護を学習しないということは、精神科患者さんの人生を台無しにしかねないくらいヤベーことなんだよっていう自覚を持って日々働いて欲しいなって思います
ベテラン看護師と同様の質の高い看護を提供するためにも勉強は必要
さっき「自発的な学習なしに素晴らしい精神看護を提供しているベテラン看護師さんがいる」と述べましたが
それはベテラン看護師さんが経験値を積んでいるから実践できているだけであって、我々年数の浅い精神科看護師が前ならえして良いわけではありません
我々年数の浅い精神科看護師がベテラン精神科看護師と同様の質の高い精神看護の提供を目指すにはやっぱり勉強は必要なんだと思います
年数の浅い看護師は経験を知識で補って、精神科看護を提供していくんです
「ベテランさんが勉強してないしこんな対応をしてるんだったら、私も勉強しなくて良いしこんな対応で良いんだー」なんて発想してたら火傷すると思うので注意してくださいね
多分同じ対応しても効果はありませんし、ベテランさんは経験値が高いんです
我々は年数の浅い精神科看護師としての対応をしていきましょうね
ってことでとりあえず、この本から勉強してみませんか?笑
まとめ
「精神科は勉強しなくても働けるよ!」という噂について書いてみました
「きれいごとばっかり抜かしやがって!」なんて思っている方もいるかもしれませんが、私は意識低いので綺麗ごと、理想論がないと療養上の世話ばっかりしちゃって精神看護やってけないんです
「うわーこの程度の事記事にしちゃってるの?意識低いな!」って思ってもらえたら嬉しいなって思いながら記事を終わろうと思います
ありがとうございましたー!!
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