なぜ精神科医療の場を【暇でラクである】と言い切ってしまう看護師が発生してしまうのか

精神看護の実践

こんにちはー意識低い看護師のはむです

さて、皆さんは「精神科看護師暇だしラクだよー」なんて言葉を聞いたことありませんか?

精神科看護師の経験の有無に関係なくラクであると言い切ってしまう方は存在しています

SNSなどでこのような発信をしている人はだいぶ減ったと思うのですが、現実世界でこのワードを耳にすることは多いんじゃないかなって思っています

今回はなぜ精神科医療の場を暇でラクであると言い切ってしまう看護師が発生するのか、というテーマで記事を書いていきたいと思います

目次

スポンサーリンク
スポンサーリンク

5段階欲求への援助

看護の実践をしていくにあたり、我々看護師は患者さんの5段階の欲求のうち未充足な部分においての介入を行っていきます

マズローの5段階欲求説ですね

  • 生理的欲求
  • 安全欲求
  • 社会的欲求
  • 承認欲求
  • 自己実現の欲求

これらの未充足な面において介入していくわけです

この介入にもルールがあります

それは【生命を脅かす可能性のある下位の欲求を満たすことに優先順位を設ける】ということです

このルールに従って、身体科も精神科も患者さんに対しての介入を実践していっているわけなんですよね

そうすると自ずと看護師のお仕事は【生理的欲求・安全欲求】などの低位の欲求を満たすための援助に傾いていくわけです

その辺に重きに置かないと患者さんに危険が及んでしまいますからね。

身体科と精神科の低位欲求に対するボリュームの違い

身体科と比べ精神科がラクであると主張する人は、おそらく精神科医療の【生理的欲求・安全欲求】に対する援助の圧倒的少なさについて述べているんじゃないかなって思います

以下の図をご覧ください

身体科は生理的欲求や安全欲求への介入に重きを置きます。それこそ業務の殆どをその二つの欲求を満たすために働いているのではないでしょうか?

そうしないと亡くなってしまう、今後の人生に支障を来す方が身体科を利用することが多いからですね


一方、精神科では身体科と比べると生理的欲求・安全欲求に向けた介入へのボリュームは減ると思います(一部除く)

精神疾患が生理的欲求・安全欲求を未充足にさせている方も数多くいますが、身体科ほど実践しなければならない援助は少ない

まして、生理的欲求・安全欲求に関して全く問題がない患者さんというのも数多く存在している、それが精神科という医療の場です

精神科では何をしているのか

じゃあ、精神科では何をするの?って思う方も多いですが、それはもちろん社会的欲求以上の高位欲求に対する援助を行っているんです

ここでは精神科病棟について書きます


低位欲求に時間を割く場面も多いですが、それで一日が終わるわけではありません。

隙間時間に患者さんのもとへ向かい、対話と援助手段を用いて患者さんに対して高位欲求への介入を行っています

頻回なケースカンファレンスを行い、患者さんの対応や今後の方向性について医療サイドで何回も確認しあっています

地域カンファレンスを行い、患者さんの社会復帰に向けた話し合いを何度も行っていきます

対応法の分からない患者さんの家族に対して、心理教育を行ったり、病棟での取り組みについて情報伝達したり、時には寄り添ったりもします

場合によっては患者さんの行動変容に向けた援助も行うため、長い時間、日数をかけてじっくり何度も介入していきます

患者さんと自宅まで訪問し、退院のための調整等を行います

それらの取り組みの詳細を長い時間をかけて記録に打ち込みます


ここでは書ききれない、様々な取り組みを精神科病棟では行っています


え?暇ですかね?低位欲求に関しての援助を行いながら上記の事を実践してるので、暇な勤務などはあまり無いと思いながら働いていますが。確かに身体科と比べると余裕のある働き方ではあるとは思いますけどね。

ラクですかね?私はこれらの業務になれてしまっているのでラクと感じながら働いていますが、全員に「ラクだよ!!」と触れ回れるほどのラクさでは無いような気がしますが・・・。




精神科を暇でラクだと一蹴する看護師の特徴

上記を見てもらい分かった人は多いと思いますが

精神科を「暇だよ!ラクだよ!」と一蹴してしまう看護師さんの根拠は【精神科の生理的欲求・安全欲求への介入の少なさ】なんだと思います

そう一蹴する看護師にね、おそらく「精神科でも低位の欲求への介入を行ってるんだよ」なんて言っても響きません

だってその人たちは看護師の仕事を「看護師は生理的・安全欲求に対しての介入のみを行うもの」と思い込んでしまっている人たちですもんね

視野の狭い、不勉強な方々です


もし精神科看護師が【精神科暇だよ!ラクだよ!】と言ってしまうのなら、精神科の介入方法を知らない未熟な看護師か、しこたまやる気なく患者さんの人生なんてどうでもいいと思っているかどちらかと捉えても差し支えないのかなと思ってしまいます

未熟なだけなら全然いいんですけどね。ラクできると踏んで精神科に来て患者さんの人生ぶっ壊そうとする看護師さんは如何なものかなとは思います

とりあえず、この記事に書いてあることから勉強してみませんか?

全然、挽回は可能だと思うので、一度この記事にかいてある内容から勉強してみてはどうだろうかと思います

一緒に精神看護について勉強していきましょう


もし精神科に勤務経験のない看護師が【精神科暇だよ!ラクだよ!】と言ってしまうのなら、ただの視野の狭い人間の戯言と捉えても大丈夫だと私は思っています


・・・こういう記事書くと「意識低くないじゃん!」って言われることが多いのですが、この辺って多分意識高いとか低いとか関係ない、看護師として、人間として持つ必要のある矜持だと思っています。この程度の、当たり前な記事をわざわざするって私は意識低いでしょ?と私は思っちゃいますかね



まとめ

今回はなぜ精神科医療の場を暇でラクであると言い切ってしまう看護師が発生するのか、というテーマで記事を書いてみました

大分口の悪い記事になってしまいました。反省していません

少しでも精神看護の質が向上することを祈って

またね!

コメント

タイトルとURLをコピーしました