さて、看護師が転職する際に、4パターンの転職があると思うんです
①前向きに、経験したことのある領域への転職
(同じような業務をしたいが、給与や福利厚生の向上を目指す転職)
②前向きに、未経験の領域への転職
(今まで経験したことのない領域にチャレンジするための転職)
③後ろ向きに、経験したことのある領域への転職
(今の職場で働けないけど、同じ領域で働いていきたい転職)
④後ろ向きに、未経験の領域への転職
(領域自体が嫌で、新たな活路を見出したい転職)
この4パターンです
さて、この前こんな質問が質問箱に届きました
この質問者さんは、上記で言うとパターン② 前向きに、未経験の領域への転職 をした看護師さんだと思います
ですが、どうにもうまくいっていないご様子です。
私も同じような経験があります。以下の記事を参照していただければと思います
そして、私の場合は4か月で身体科を辞め精神科に舞い戻ったのですが、この質問者さんはまだまだ頑張っておられる様子です
応援したい気持ちでいっぱいですが、その一方で体と心を心配してしまいます
ということで今回は【未知の領域へチャレンジした看護師の引き際】というテーマで記事を書いていきたいと思います
目次
未知の領域へ挑戦した看護師の心理状態
今回は私が経験した、未知の領域への転職を果たしてから、退職するまでの心理状態について書いていきたいと思います
フェーズ1:身体科も学びながら精神看護を生かしていこう
転職当初は【身体科の看護を学びながら、患者さんに精神看護的なアプローチもできたらいいな】と思っていました
私は新しい挑戦に関してはワクワクするタイプですので、この時も例に漏れずワクワクしています
「ついていけるかな?」と不安な気持ちもありましたが、まーなんとかなるでしょうって思ってました
この4か月後退職するとも知らずに・・・
フェーズ2:精神看護する余裕ない、身体科の学びを優先しよう
転職してすぐ「この病院は忙しすぎる。身体科舐めてたわ。精神看護できる余裕なんてない」なんて思いに至りました
そらまあそうですよね、ほとんど未経験の手技に溢れ、知らない知識も多い職場です
身体科の知識は新人看護師レベルであったと思い知らされました
そこで、とりあえず精神看護の実践は諦め、身体看護の学びを深め、余裕を持てた時にまた実践できるようになれればいいなと思うようになりました
この時点でまだ余裕があります
フェーズ3:ついていけない、努力が足りない
夜勤が始まったころに、さらに自分の仕事の出来なさ、知識の無さに直面することになります
「ついていけない、業務外も必死に勉強しているつもりなのに、全然足りない」と悩む日々が始まります
このころになると「はむさん、看護師歴5年くらいですよね、なんでこんなに仕事遅いんですか?」と自分より年数の浅い看護師さんにイライラされるようになってしまいました
情けないなあと思いながらも、慣れたらなんとかなる、今は我慢の時だと思いながら、必死に病棟業務にくらいついていた記憶があります
フェーズ4:精神科看護師としての矜持を忘れ、看護師として無価値であると思うようになる
夜勤はじまって1か月くらいでしたかね
こんな私にも精神科看護師としての矜持はあったのですが、ものの見事に忘れてました
「精神科の看護師なんて、看護師じゃないんだね。あなたの働きっぷりを見るとそれが良く分かる」
なんて言われた日には、悔しくて仕方がなかったのですが、そのうち「ああ、精神看護にも迷惑をかけてしまう私は、看護師として無価値だったのだな」と思うようになっていました
もうこの時点で大分視野は狭くなってましたね
この時は看護師として無価値な自分を、何とか価値のある物にせねばならないと思いながら働いてましたかね
身体科で精神看護をするという思いから、身体科の知識や技術を習得して精神科にいち早く戻ろうと思ったのはこの時期だったように思います
フェーズ5:自分の身体に支障を来す
自分を無価値であると思うようになってから、極度の不眠・食欲不振・嘔吐・下痢・円形脱毛などの身体症状に悩まされるようになります
ストレス性の身体症状って本当にあるんだなとも思いながら、そんな自分を俯瞰してみていられる分まだ余裕があると言い聞かせながら働いていましたかね
ついにはめまいで立てなくなってしまいました
1回目のめまいの時は、なんとかめまいが収まったあとに復帰したのですが、周りの職員からは「急に病欠するなんて」「もう無理なんじゃない?」との声がちらほら聞こえるようになっていました
それでもなんとか食らいついていこうと思ったのですが、2回目のめまいを引き起こし、再び立てなくなってしまいます
フェーズ6:復帰直前で再びめまいが悪化し、引き際だと悟る
この2回目のめまいを引き起こした際に、年のせいかとも思い、復帰しようと思っていたのですが
復帰の前日に再びめまいが悪化してしまい立てなくなってしまいました
この時に「ああ、これはもう無理なんだな。もうあの職場に足を踏み入れる事すら考えられない」と思い、退職代行を使って辞めるに至りました
以下の記事に退職代行を使ったときの経験談があります
転職失敗経験者が思う【引き際】とは
さて、私の失敗体験をもとに考えるとフェーズ6:復帰直前で再びめまいが悪化し、引き際だと悟るで引き際を悟ってるのは遅すぎる決断だったなぁと思います
決断が遅すぎた故に退職代行なんていう最終手段を使う羽目になってしまったのだとも思います
【限界を超えて人は成長する】とも言われますが、私の場合は限界を超えても身体科看護師としての劇的な成長は果たせなかったように思います
もちろん、人間性や精神科看護師としての成長はあったのだと思いますけどね
引き際の線引きはフェーズ4: 精神科看護師としての矜持を忘れ、看護師として無価値であると思うようになるだったんじゃないかなと思います
そこから復活するか、それともさらに悪化していくか、ここが分水嶺だったように思います
【今までの看護師経験を否定し、自分を無価値であるように思うようになり始めたら、もしかしたら引き際を意識しても良いラインじゃないか】
質問者さんにもそのように返答させていただきました
限界のラインは人によって違う
もちろん、上記は私の限界の線引きです
そしてそれは、私個人の限界の線引きであったりします
人によって、限界の線引きは違うと思うんですよね
なので、自分の限界の浅さを恥じることなく、ちゃんと諦められるときに諦めるという決断は必要だよなと思います
限界を超えられなくてもいいじゃないですか。
自分に見合っていないステージで限界を超えようとしても、良くない未来が待ち受けることも多いもんです
逃げなければいけないタイミングで戦い続けても、待ち構える未来は絶望かもしれません
例え、周囲から「バックレやがってあの屑め」「この程度の職場で働けないのは無能」と言われようとも、一番大切にしなければならないものは自分です
外聞気にせず、逃げなければならない時は逃げましょう
取り返しの使いない事になる前に。
まとめ
今回は【未知の領域へチャレンジした看護師の引き際】というテーマで記事を書いて みました
未知の領域へチャレンジする看護師さんは多いように思います
でも、決して無理しないで欲しいなあぁとも思います
またね!
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