こんにちは
意識の低い精神看護師のはむで
さて、この記事を書いている現在4月です
4月といえば、初めて精神科で働く看護師さんが爆増する時期ですね!
一般科経験のみで精神科に昔から興味を持っていてもらった人や新卒の人、様々な人がいると思います
なので今回は初めて精神科で働く看護師さんに向けた意識低い看護師である私が精神科のSOAPの書き方について書いていこうかなと思います
初心者向けです。上級者向けではありません。大した事書いていません
ぶっちゃけ職場の先輩に聞いた方が多分良い事教えてくれると思いますが「聞けねーよ!!」ってコミュ障の方は良かったら見ていってください
それではいきましょー!
目次
精神科のSOAPって難しい?
さて、精神科のSOAPについてですが、「なんだか難しい」といった意見が割と聞かれます
例えばS(主観的データ)だと
・訴え長すぎてどこまで書いていいか分からん!
・何言っているのかも分からん!
・一字一句訴えの内容覚えてられん
・そもそも喋らん!
とか聞かれますし
O(客観的データ)だと
どこまで観察して書くんだよ!
検査データとかないじゃねーかよ!
どれが症状なんだよ!性格じゃねーのかよ!
とか聞かれますし
A(分析・評価)では
どう分析していいか分からん!色々解釈の仕方あるがな!
とか聞かれますし
P(治療方針)では
この症状についてどう展開していくか分かんねーよ!
とか聞かれます
上記の訴えの中にはそもそも前提が間違っていることもあるのですけどね
とりあえず、一般科ではある程度疾患に応じた症状やデータがあるのでそこについてのSOAPを書けばいいところを、精神科では他種多様な症状が存在しそれを表すデータや指標も少ないためSOAP書きづらいなんてことが起こりやすいのかなと思います
分からんままじゃ危険?
SOAPの書き方も分からないまま年数が経過していく看護師さんも中にはいます
折角良い看護しているのに、そのことを記録に残せないから継続看護もできないなんてままある話です
そんなのもったいないし、結果SOAPが原因で患者さんのQOLを損ねる可能性もあります
だから!!
難しいSOAPを、少しでもとっつきやすいように、今から出来るだけ短く、そこそこ分かりやすく、意識低い流で、精神看護初心者のSOAPの書き方についてを以下に述べていこうと思います
S:主観的データ
精神科のSでは
患者さんの言ってることそのまま書く
で良いと思います
何を言っているか分からない時も自分の聞き取った言語で書くようにしましょう
英語の場合とかは私は無理なので諦めますけどね
訴えが長く覚えきれない時は覚えていることをできるだけ書きましょう
たまに問題点だけ書く人がいますが
それしちゃうと問題点だけにしかピックアップされないので
問題点以外も書くようにしましょう
また訴えを適当に変換してSに書く人がいますが
それはA(分析・評価)で書くことなので、勝手に変換して書かないようにしましょう
患者さんの述べていることを書くだけなので
別段特別な看護技術は必要としないはずです
たまにSに自分の言葉をカッコ付けして書く人がいますが
例) S:(どうしましたか?)お話があるんですが
自分の対応とその反応はOに書くものだと私は思っていますので、あんまりSに書くのはどうかなと個人的に思います
しかし他の人からしたら会話の流れは見えやすいので各々好きにしたらいいと思います
私はダサいなと思うだけです
O:客観的データ
精神科のOは患者さんを見たこと、聞いたことをありのままの患者さん像を書けばいいと思います
- どんな表情をしているか
- どんな口調か
- どんな発語か
- 目線はどこになるのか
- どんな態度なのか
- どんな姿勢でどんな動作をしているのか
- どんな歩き方なのか
- 身の回りの環境はどうなのか
- どんな服装をしているのか
- 身だしなみはどうか
とりあえずぱっと書いてみましたが他にも観察項目は山ほどあります
とりあえず文章だけである程度患者さんの様子が想像できるくらいに書ければベストだと思います
最初のうちは観察項目が抜け落ちても仕方ないと思います
でも、見たままを書くって癖をつけることができたら、次第に色々な部分を観察することが出来るようになってくると思います
ここで割と【幻覚妄想あり】と書いてしまう看護師さんがいますが
それはAで書く部分ですし
そこでアセスメントしてしまうと、それ以上のアセスメントが出来ず患者さんへの理解がすすまないので
できれば書かないでほしいかな!って思います
漏れなく観察するという行為自体はある程度の経験は必要だと思いますが
あまり精神看護に慣れ親しんでいなくてもありのままの患者さんを書くという行為自体はできると思うので
良かったらしてみてください
A:分析・評価
S情報とO情報を元にアセスメントを書くわけですが
SとOをきちんと書かない事にはアセスメント書きづらいのは当然なので、そこはちゃんと書いて欲しいかなと思います
あと、【精神症状を表す用語】を知っていないとアセスメント書きづらいんですよね
例えば
大声で叫ぶ患者だけのO情報しかないかぎり
- 易怒性
- 焦燥感
- 気分高揚
- 脱抑制
- 混乱
- 大声な独語
- 衝動行為
- 過活動状態
などなど色々どういう状態かを上げることはできますが
O情報が少なすぎてどの用語が当てはまるのかも分かりませんし、大体精神を表す用語を知らないと【不穏】としかアセスメント書けない可能性があります
かといって精神科での働き始めって「用語多すぎて覚えられねーよ!!!」ってなるところがやっかいかなぁって思う次第です
そこで!とりあえず用語系はゆっくり勉強していくとして!
最初のうちは
S情報とO情報からみる患者さんの基本的欲求について書くといいかもしれません
ヘンダーソンの14の基本的欲求が良いと思うのですが、項目が多いのでマズローの欲求5段階でもいいので、アセスメントに書いてみてはどうでしょうか
例えば
S:なに?ここの食事は毒が含まれているから食べない。捨てておいて
O:食事の声掛けのため訪室するとベッドサイドに端座位で座っている様子見られる。食事の声掛けを行うと看護師の方を向いて食事に毒が含まれているため摂取しないという旨を述べる。看護師の目を見ながら険しい表情で口調は厳しい。再度声掛けするも捨てておくように述べ、看護師から目線をそらし、ベッドに臥床する。以降看護師の声掛けは無視している。
A:被毒妄想あり。被毒妄想から食事の声掛けできていない事から生理的欲求が充足していない可能性あり。
超簡単に書きましたが、上記記録では赤線引っ張っている所が基本的欲求にあたると思います
欲求が充足か未充足かを書くことで、本人の症状により何が障害されているのかが分かりやすくなるのかなと思います
アセスメントの書き方として正しいかどうか、実は自信は無かったりしますが、患者さんのアセスメントにはなるんじゃないかなとは思っています
また精神科ではこの基本的欲求が肝となってくると私は思っていますので、そのことを考える良い訓練になるんじゃないかなとも思いますので
アセスメントに困っていたら良かったらやってみてください
あと【精神科症状に関する用語】を調べるときに、是非お勧めしたい本があります
それはこちら
他科に誇れる精神科看護の専門技術 メンタルステータスイグザミネーション Vol.1です
この本に、大抵の【精神症状に関する用語】について載っています。実際の患者さんの症状とこの本を照らし合わせながらSOAPを書くことで、より良いSOAPが出来ると思いますし、アセスメント力がついてくると思います。
是非ともお勧めしたい本になります
近くの書店にはあまりおいていない本だと思いますので、よければこちらからどうぞ
P:治療方針
ここはもう患者さんによりけりなので私は明言できません。
ただ、SOAをここまで書けてたら、そして患者さんの充足していない欲求について探ることが出来ていたら
その欲求を充足させるためのプランはおのずとかけるんじゃないかなって思います
どのように充足させるかのテクニックやプランについては職場の先輩に聞いてもらえればと思います
ただ、注意点として実行しないであろうプランを書くのはやめておいた方が良いんじゃないかな?って思います
実施もしないであろうリラックス法やSST、CBTについて書く人がたまにいますが、それを書くのはどうなのかなと個人的に思ったりします
まとめ
今回は精神看護でのSOAPの書き方について書いてみました
難しいですかね?精神科のSOAP。確かに身体科と比べると結構異色なSOAPになってとっつきにくいところは多いのかなと思ってしまいますが、慣れてしまえばこちらのもんです
精神科の基礎知識と症状を表す用語についてだけ抑えてしまえば、あとはある程度はどうにでもなるのかなと思ったりします
またね!
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