☆精神科看護のお仕事について~基本的な2つの軸とは~☆

精神看護の二つの軸精神看護の実践



こんにちは、意識低い看護師のはむです


日々意識の低さをモットーに生きてますが

今回は精神科看護の仕事の概念について書いてみたいと書いていきたいと思います

目次

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精神看護師の仕事は管理と統制?

私が精神科慢性期病棟で働いている時、私の同僚に一般科で管理職もしてきた30年越えのベテラン看護師さんがいまして


その同僚が1年くらい精神科で働いたタイミングで私に言ってきたことがあるんです

「1年間精神科で働いてきて、精神科には管理と統制しか見えなかった。君はまだ若いけどこんな科で働き続けていいの?」

この言葉を聞いた時一般科で管理職もしてきた看護師が精神科に来てその程度しか見えなかったのかって言いたくなりましたが、さすがに同僚、しかも年数ベテランの方にそんなこと言えないので笑って話を流した覚えがあります


あれ?もしかして精神科の看護師ですら、精神看護の基本的なこと分からん?と思ったのでこの記事を書いておこうと思った次第です


精神看護の大きな二つの軸

精神看護には大きな二つの軸があると私は思っています。それは【低位欲求への看護】【高位欲求への看護】です


以下に書いていきたいと思います

低位欲求への看護

一つは低位欲求への看護です。低位欲求とは簡単に言うと

マズローの欲求5段階説でいう【生理的欲求】【安全欲求】

ヘンダーソンの基本的欲求の14項目でいうと

  1. 患者の呼吸を助ける。
  2. 患者の呼吸を助ける
  3. 患者の排泄を助ける。
  4. 歩行時および座位、臥位に際して患者が望ましい姿勢を保持するよう援助する。また患者がひとつの体位からほかの体位へと体を動かすのを助ける。
  5. 患者の休息と睡眠を助ける。
  6. 患者が衣類を選択し、着脱するのを助ける。
  7. 患者が体温を正常範囲内に保つのを助ける。
  8. 患者が体を清潔に保ち、身だしなみよく、また皮膚を保護するのを助ける。
  9. 患者が環境の危険を避けるのを助ける。また感染や暴力など特定の患者がもたらすかもしれない危険からほかの者を助ける。


にあたるものです

精神科看護の業務に該当するものは

  1. 服薬管理
  2. 生活管理(環境整備・療養環境の管理・病棟のルールを守ってもらう)
  3. セルフケアの管理(食事・睡眠・入浴・排泄・更衣・移動等の見守り及び介助)
  4. 疾病管理(診療の補助、各種精神疾患の観察や必要に応じて処置・各種バイタルサイン測定)
  5. 安全管理(転倒予防・褥瘡予防・各種行動制限・飲水管理)

など、他にもありますが上記が主になると思います

いわゆる患者さんの入院生活における管理的な側面です



低位欲求に対して注目しすぎじゃない?

私は一般科の勤務経験は4か月しかありませんし、業務についてはほぼ分からないんですが、一般科ではやはり低位欲求への看護が主となってくるのではないかと思います

そりゃあ、身体疾患で生命の危機に瀕している人や、ほっといたら著しく本人のQOLを損ねるような人の看護をするわけですからね

別にそこに注目するのは悪いわけんですよ


それに看護学校でも、やはり教員が重視するのは低位欲求への看護になってしますので

どうしても看護師という生き物は低位欲求にフォーカスを当てがちになってくるのは仕方ないことだと思うんですよ

でも、精神科ではこれら低位欲求への看護を実施する機会は一般科より圧倒的に少ないわけですよ


精神科ではいわゆる業務的なものが少ない

故に残業なく勤務を終えることができると私は考えています



これは仮説なのですが

精神科看護は一般科出身の人からしたら退屈なのではないかと思うんです

だって業務が少ないんだもん


そんな退屈な一般科看護師さんが、患者さんへの管理を強化していく例を私は何度も見てきました


過度なルールを守らせる行為や必要以上に患者さんを節制させるなどありましたかね

しかもエビデンスもなく自分の陰性感情のみで実施している人もいました


そう考えれば、前述の同僚の発言には納得できるものもあります




そんな一般科から来た看護師さんが、別の一般科から来た看護師さんに精神看護を教えて、結果的にその看護が病棟文化を形成していく可能性があります

あくまで仮説です。そうなってない病院の方が多いと思います

しかし、少なからずそのような病棟文化が根付いている病棟は確かに存在します

患者さんの変化の少ない慢性期病棟で発生しやすい問題なのではないでしょうか


高位欲求への看護

さて話を戻しますが精神看護のもう一つの軸は高位欲求への看護になります

マズローの5段階欲求説でいうと【社会的欲求】【尊厳欲求】【自己実現欲求】

ヘンダーソンの基本的欲求の14項目でいうと

  • 10.患者が他者に意思を伝達し、自分の欲求や気持ちを表現するのを助ける。
  • 11.患者が自分の信仰を実践する。あるいは自分の善悪の考えに従って行動するのを助ける。
  • 12.患者の生産的な活動あるいは職業を助ける。
  • 13.患者のレクリエーション活動を助ける。
  • 14.患者が学習するのを助ける。


精神科看護の業務に該当するのは

  • 心理的ケア(コミュニケーションを通した治療的関わり)
  • 各種疾患教育
  • 対人関係の訓練(SSTなど)
  • 社会生活の訓練(自己洗濯や小遣い管理の援助など)
  • 他職種連携の調整(これは看護師だけじゃなくてもよい)
  • 気分転換活動への援助(散歩、間食の対応)

になるかと思います。もっと沢山あるのですがきりがないのでここで留めておきます。

この辺の業務が精神科看護におけるキモであり、患者さんに大いに実施されるべきところであると思っています


高位欲求への看護、軽視されがち?


しかしながら、わりと高位欲求への看護は精神科でも軽視されがちな部分だと思うんです。

これまた慢性期病棟とかに多いのかと思います



どうしても精神科慢性期病棟では

  • 重度の精神疾患を抱えている人
  • 残遺症状が顕著すぎる人
  • 人格変容が進みまくっている人
  • とても社会に出られるような状況にない人
  • 社会的入院で長期入院を余儀なくされている人
  • 精神科病院を終の棲家としてとらえている人

などが数多く存在しており看護師目線で見て、ぱっと見やりがいの無さそうな人が多くいるため

とてもとても、高位欲求への看護を実践するだなんて頭にもない看護師は少ないのかもしれません

そんな患者さんにもそのような看護を実践することで、もしかしたら変化が現れるかもしれないのに、可能性すら思わない看護師さんは少なからず存在していると思います

ポロリもあるよ
https://notautinurce.com/2021/07/18/seisinnsosusume/



まとめ

今回は私が思う問題点についてふまえつつ精神科看護の2つの軸について書いてみました

というか、ヘンダーソンに則って書いているので、看護の基本となるものについて書いたので

精神看護に限らず、すべての領域に本来言えることだと思うので

できれば看護師さん全般に読んでほしく書いてみました


ヘンダーソンなど忘却の彼方に行ってしまっている人はまた読んでみてください

こんだけいっといてあれですが私の看護の基本となるものはどっかいきました

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それでは!ありがとうございました!




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