こんにちはー意識低い看護師のはむです
さて、精神科病棟というものに実習以外で踏み入れたことの無い看護師、看護学生さんは多いと思いますが、そんな皆さんの精神科のイメージってどうですか?
・身体的な処置が少なそう
・身体介助は少なそう
・辞める人の話をゆっくり聞いてそう
・患者さんとお散歩とかしてそう
・将棋とか囲碁とかしてそう
・いきなり殴ってくる人とかいそう
などなど、いろんなイメージをお持ちの方が多いのかなと思います
特に実習でしか精神科に行ったことの無い人などは、実際の精神科的な援助にはほぼほぼ触れ合っていないですし、そのようなイメージを持っても仕方がないのかなと思います
今回は、皆さんがイメージとして思っている精神科と、意識低い精神科看護師が現場で見ているギャップとなり得そうな点について書いていこうかなと思います。
それでは早速行ってみましょう
目次
イメージと違う精神科の現場一覧
案外うつ病患者さんは少ない
わりと「精神科の急性期はうつの患者さんが入院していることが多い」イメージをお持ちの方も多いと思います
それで「病める人とゆっくりお話しして、看護介入していきたい」と思って急性期・救急を希望して入職される方もいます
でも、案外うつ病・適応障害の患者さんが入院患者さんで占める割合は少なかったりします
中には病棟機能としてそのような患者さんを集めている病棟(ストレスケア病棟)もありますが、そのような病棟を設置している精神科病院ははホント一握りなのかなって思います
やはり自傷・他害・家族対応困難な入院患者さんが医療保護入院でやってくる場合が多いです。
純粋なうつ病の患者さんも自傷行為で入院してくることはありますが、それほど多いわけではありません。どちらかというとうつ病や適応障害の裏にパーソナリティ的な問題が潜んでいる患者さんも多く、精神看護技術が確立していない状態の時に操作されてしまうことも往々にしてあります
そんな入職時のイメージの違いから、精神科を去っていく看護師さんもわりかしいます。
それほど身体的な暴力が多いわけではない
精神科=暴力の危険に晒されるなんてイメージの方は多いと思います
んでも、そんな毎日毎日暴力の危険に晒されているわけではありません
もちろん、暴力リスクはありますけどね。
暴力リスクのある患者さんに対しての対策をとっている精神科病院は多いので、そこまで不意に暴力を受けるといったことは少ないのではないでしょうか
勿論、看護師側が患者さんの暴力についてのリスクをしっかり感じ取って、あらかじめ距離をとる、観察を強化するなどの対応が出来るといった前提はありますけどね。
生傷の絶えない看護師さんも多いですが、患者さんのパーソナルスペースにずかずか入り込んでいったり、暴力の兆候を把握しようとせず食い止める対応をしない人が多いのかなといった印象です
あと、皆さんの盾となるべく、どうしようもない状況に対し果敢に一番前で踏み込んでいく人などもわりと暴力を受けたりしますかね
女性療養病棟の看護師さんとかは防げない暴力を受ける方は多いイメージはありますが、私は配属になったことが無いので分かりません
あと精神科救急なら、入院拒否している患者さんが暴れることもありますがその辺はマンパワーで解決することが多いです
暴力は未然に防げる場合が多いし、なんなら看護師の対応が悪いという場合も往々にしてあります。
確かに暴力はあるかもしれませんが、皆さんが想像しているより少ないのかな?と思います
個人的には患者さんからの【精神的な暴力】の方が余程堪えますけどね。
そっちも対策可能と言えば可能かもしれませんが、今でも私は堪えること多いですね
精神科救急でも認知症患者さんの入院は多い
精神科の急性期、救急病棟でも認知症の患者さんはバンバン入院します
いや、病院によりけりかもしれませんが、ADL自立してて、周辺症状が活発で家族対応困難な症例なんかは精神科救急に来ることは多いのかなと思います
時期次第では半数以上の方が認知症患者さんであることも
統合失調症や気分障害圏の勉強をしておけばいいというのは大間違いです
さらに高齢なので、内科的な疾患を抱えている方も多いのでその辺も勉強しなけりゃならんことも多いです
さらにさらに身体科病院が対応困難として精神科救急に連れてくる場合も多く、とんでもない持病を抱えた方も来ます
やっぱり身体経験のある看護師さんが精神科にいると頼りになるなぁといった印象です
将棋や囲碁などのレクリエーションを患者さんとすることは案外少ない
「実習の時囲碁とかめちゃくちゃしてたから、看護師さんもそうですよね」
みたいなことを言われることもありますが、全然そんな時間ないです
自分の受け持ちなら気分転換活動に対する看護計画を上げていたり、関係構築のためにすることもありますが・・・誰彼構わず、囲碁や将棋などのレクリエーションをして1日が終わるなんてことはないですかね
昔の精神科ならそういうこともあったんですかね?分かりませんが
どちらかと言うと数少ない日勤なので、その時間は受け持ち患者さんに充てたいなぁと思っている看護師は多いような印象です
というか患者さん同士でやってたりするので、看護師がずかずか割り込むことは少ないような気がします
思ったよりは身体的な手技や処置は多いし、身体介助も多い
案外、身体的な手技や処置を患者さんに行うことは多いです
拒食やOD,CK上昇などの理由で点滴となる患者さんは多いですし
胃瘻やEDチューブから経管栄養をする人も多いです
筋肉注射や頓服の静脈注射は日常茶飯事ですし
創傷処置・皮膚科軟膏処置・褥瘡処置も多いです
糖尿病患者さんも多く、コントロール不良も多いので血糖コントロールもします。シックデイもよくあります
抗精神病薬の副作用や活動量の低下のため便秘になる人も多く、摘便・座薬・浣腸も多いです
人工呼吸器こそない病院が多いですが、酸素が必要な患者さんもいます
そりゃあ身体科よりは多くないでしょうし、その対応に追われるといったことは少ないですが、全くないわけではないです
また精神科病院の高齢化は進んでおり、それに伴いADLの介助は多かったりします
そのくせ看護基準は15対1とかなので、結構な人数の介助をしなければならないことも往々にしてあります
看取りは案外多い
「精神科ってあまり看取りは少ないんでしょ?」と言われますが、そんなことないです
高齢者病棟や認知症病棟では看取りは日常茶飯事です
私自身は経験少ないですけどね
救急でも、アルコール患者さんの突然死や身体疾患の急性増悪で亡くなる人も多いですし、自分で命を絶つ方もいらっしゃいます
「人の生き死にを看たくない」って人が精神科に来ることは有りますが、案外そんなことなくて驚かれる人もいます
案外イベント事に取り組んでいない精神科病院は多い
精神科のイメージとして【お花見】【七夕】【盆踊り】【ハロウィン】【運動会】【病院祭】【クリスマス】【初詣】などのイベントごとに全力投球な病院が多いイメージがあると思われがちなのですが、実際問題そのような取り組みをしている精神科病院は少なくなってきています
そもそも救急の患者さんはそのようなイベントに参加することは少ないのかなと思いますし、慢性期の患者さんは高齢化してきているといった背景もあります
中には全くそのような行事には取り組まない精神科病院もありますので、もしそういうことをしたいのなら就職する病院は選んだ方が良いのかもしれません。
逆にそういうイメージ無く就職した病院がそのような取り組みが活発だったとしたら、それはそれで驚くかもしれません
お花づくり、工作、ダンスに全力を尽くさなければならない病院もありますので
思ったよりハードな散歩も多い
これも多分病院・領域によりけりかと思いますが
患者さんと散歩に行くことは多いです
思ったより多い場合もあります
「運動のため!」と何回も病院の階段を上り下りする患者さんの対応をしたのちに、別の患者さんから「私も・・・」なんて言われたりします
ジョギングする患者さんもいますが、その患者さんと一緒にジョギングすることもあります
散歩中に逃走をしようとする患者さんもおりダッシュする羽目になることもあります
どんな炎天下でも、どんな極寒の日でも、なんなら雨が降っていても散歩を希望する患者さんはいます
そして売店に立ち寄る患者さんがおいしそうに間食を食しているのをじっと見つめなければならないこともあります
どうしても断ることもできず、一日中散歩に追われ記録もままならない看護師さんもいます
案外ハードな散歩は多いです
まとめ
以上が、私が予想しうる精神科の皆さんのイメージと現実とのギャップになりますかね・・・
ただ私、もう精神科長くなってきて、学生時代に抱いていた精神科のイメージを忘れかけてしまっているんですよね
良ければ、なんか質問していただけると嬉しいなと思います
よかったら質問箱にどうぞ!
またね!
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