こんにちわー意識低い看護師のはむです
さてさて私は日頃、精神看護についての発信をブログで書き続けております
どちらかというと精神看護に興味を持っていただきたいため精神看護の良い面を伝え続けているわけなのですが
その良い面ばかりを見て「精神看護をしたい!」って思ってもらって精神科に入職したときに
「あれ?思ったより辛いぞ???」となる可能性があります
んで、精神看護を嫌いになってしまっては元も子もない
そりゃあ、精神科に就職して良いことは沢山あるのですが、悪いこともあります。
そこで今日はその悪い面である一つ【患者さんとの関わりの中で辛い事】というテーマで記事を書いていきたいと思います
それでは早速行ってみましょう
目次
患者さんの自殺を目の当たりにした時
精神科には自殺リスクのある患者さんが多数入院してきます
そんな患者さんに対して我々もハード面・ソフト面から自殺予防対策に取り組むのですが、どうしても完全ではありません。
様々な手段を用いて自殺を完遂させようとする患者さんがいます
※精神科ではない皆さまからは頻繁にそのようなことが起こると思われてそうですが、そうそう自殺の完遂があることはありません。未遂はいくらでもありますけどね。
そんな完遂してしまった患者さんを目の当たりにしたときに、看護師は強いショックを受けます
・自分が悪かったのだろうか
・もっと観察強化できていれば
・もっと親身に対応していたら
・持ち物チェックをしたのは自分だった
・受け持ち看護師は自分だった
・アナムネをとったのは自分だった
・自分が殺してしまったのかもしれない
・自分は無力だ
などなど、発見者・当日の勤務者も強いショックを受けますが、それ以外の方も強いショックを受けます
精神科で、私がもっとも辛いと感じる場面だなと思います
退院後の自殺を知った時
また患者さんの中には、退院後に自殺をしてしまう人もいます
関係を構築し、関りを深めこれからの人生について一緒に考えぬいた、そんな患者さんの訃報を知った時もかなり辛いですね
受け持ち看護師だったらなおさらです
そんな時、無力感を感じます
私の希死念慮に対するかかわりについての記事がありますので、よかったらそちらも参照していただければと思います
「死にたい」って訴えてきた患者さんへの意識低い精神科看護師の対応法
不穏興奮状態患者さんと避けられない関わりをする時
さて、精神科で働くにあたって【身体的な暴力リスク】というものはどうしても付きまといます
精神科歴の浅い看護師さんだと、その暴力リスクを察知できずに暴力の被害に遭うことはままある話です
しかしある程度働いていくと次第に暴力リスクを察知できるようになり、暴力被害にあうことは少なくなっていきます。患者さんに暴力をさせないスキルも身についていきます
しかし、不穏興奮状態にある患者さんに対して避けられない関わりをする場面も、当然起こります
例えば
・隔離中の患者さんが食事中に不穏になり、箸を手に取って離さず、医療者に対して威嚇している時
・患者さん同士のトラブルでホールの机やいすを投げ始め、制止する必要がある時
などなど、これ以上具体例を書くのはコンプライアンス違反だと思うので書きませんが、そのようなときは患者さんと関わらなければなりません
幾らマンパワーを使おうとも、それでも行為を辞めない患者さんもいます
そんな患者さんに立ち向かう時がもっとも辛いなと思う場面です
だって、もうしっちゃかめっちゃかになるのが目に見えて分かるんですもん
必ず訪れる未来に立ち向かう時がどうしても辛いですね
患者さんへの怒りを自分に転移させる時
患者さんの怒りが別の患者さんへ向いてしまうことはよくあります
おそらくその怒りが暴力行為になった時、その患者さんは致命的なダメージを負う可能性があるというような場面もあります
勿論そうならないように介入はするんですけどね
ただ、それでも暴力が避けられない場合があります。そんな時に自分の精神看護技術の未熟さを感じてしまいますがそれはおいといて。
そんな時、患者さんの怒りを自分に転移させることがあります
自分が暴力の被害に遭った方が他患者の命を守れると踏んでの行動になります
その決意をするときは辛いですかね
ほぼ訪れる未来に、自分の精神科看護師の未熟さを呪いながら立ち向かうわけなので
全然褒められた対応ではありませんし、真似もしてほしくないですし、なんならこの行為は看護ではないと私も自覚しています
ただ、辛いなと思う場面についての話ですので、書いてみました
操作性の強い患者さんと関わる時
精神科の患者さんの中には、操作性の強い患者さんもいます
「ああ、陰性転移してきよる・・・」「援助を引き出そうとしてきよる・・・」と思う場面も多々あります
もう、患者さんの思う通りの過度な援助を提供した方がラクなんじゃないかって思う場面もよくあるのですが、それをすると患者さんの援助の基準は変わってしまうので、一貫した対応をします
患者さんに陰性感情を転移されたと自覚しながら対応するようにはしていますが、それでも辛いですな
非常に抽象的に書いていますが、察してください
俗にいう「もっていかれる」ってやつです
精神的な暴力を受ける時
精神的な暴力とは
罵声・暴言を浴びせられる
詰所の窓を強くたたかれビクッ!!てする
セクハラに遭う(ボディタッチもセクハラ発言もあり)
揚げ足をとられひたすら責められる
何気なく自分のコンプレックスについて述べられる(あなたの顔すごい不細工ですねー!って笑顔で言われたことあります)
などがあげられます
患者さんが興奮している時の暴言は割とすごかったりします
もう私はそのような言葉は流してしまうので、今は辛くは無いのですが、就職当初はわりとつらかったですねー
妄想の対象となった時
統合失調症の患者さんだと陽性症状活発な方、残遺症状が強い方などから
わりと看護師さんが妄想の対象となってしまうことも多いです
例を挙げると
・被害妄想
看護師が寄ってきただけで「近づくなー!!」など叫ばれる。たまに「暴力を受けた!!ひどいこと言われた!!」とクレームを受ける
・恋愛妄想
「看護師さんに狙われててー」なんて言われたり、「あの人と【ピー】したの!」と吹聴されたりする
などあります
もちろんそんなことする看護師さんはいない(とは言い切れない場合もあるが)ですが
わりとしつこく言われたりするので、病的体験であるとは理解してても辛いなと思うことはあります
また、そういった妄想から暴力に発展することもあるので、しっかりアセスメントし対応について考えていく必要があります
延々と話を聞き続ける時
患者さんの中には「ひたすら看護師さんに話を聞いてほしい!」って人がいます
手が空いた時に「少し傾聴するかー」って思って聞き始めると,
話の切り時を逃して何時間も話を傾聴し続け、昼食を逃すなんてこともあります
それだけならいいんですが、返答を間違うと「あの人にこう言われた!訴えてやる!」みたいなことになりかねないし、話の切り方を間違えると「あの看護師は全然話を聞いてくれない!クレーム入れてやる!」となる方もいらっしゃいます
よって、ものすごく神経を擦り減らす作業となります
あと、訴えの内容が認知の歪み方強すぎて全然共感できなかったり、ヘビーすぎる内容だったりしますしね
これも今では具合を掴めるようになってきますし、全然話を切ることはできるので(これ以上は他の患者さんの対応に支障が出る、あらかじめ時間を決めておくなど)別段今は辛いとは思いませんが、就職当初は辛かった記憶があります
※こんなこと書いちゃうと「いくらでも話を聞いてあげたらいいじゃない!!」って怒ってくる看護師さんや患者さんもいそうですが
延々と傾聴するのは治療的コミュニケーションではないと私は思っています。ご了承ください
話を終わらせるのも精神看護の技術です
まとめ
今回は精神科で働くうえで【つらい】ことについて記事を書きました
ツライことばかりではもちろんないのですが、やはりこういうこともあるんだよーって知っていただきたくて
今回は記事を書きました。
もちろんツライことばかりだったら意識の低い私はすぐに辞めてしまうのですが
それよりも楽しさややりがいのほうが上回っているので続けることが出来ています
以上です
またね!
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