こんにちはー意識低い精神科看護師のはむです
今回は【精神疾患に携わる看護師さんに現役中堅精神科看護師がお勧めする本】というテーマで記事を書いていきたいと思います
特に精神科看護の初心者~中堅に向けたものを紹介したいなと思います
勉強しようと思ったら、割と幅広い範囲を勉強しなくちゃいけない・・・何から勉強していいか分からん・・・そんな精神科初心者の看護師さんに、意識低い看護師がおすすめの本を紹介していきたいと思います
良かったら見ていってくださいー!
目次
まず最初に読むべき本
さて、精神科医療の場で働き始めた方に是非お勧めしたい本があります
ですが!それは別の記事で紹介させていただいておりますのでその記事を参照してくださいー!
精神科入職前や働き始めの方におススメの本を紹介した記事なのですが、中堅以降も振り返りとして読んでおいた方が良いよなぁって思います
この記事に書いてある本で十分だと思いますが、それでも不安だと言う方やもっと勉強したい人とかは
この辺の看護学校時代に買った教科書を家をひっくり返して探して、読んでみると良いのかなぁと思います
働く前や働き始めてすぐの状態で、様々な本に手を出すのは、結局身にならないことも多いので、注意が必要かなって思います
精神疾患についての本
さて、一口に精神科と言いますが、精神疾患は実に多種多様です
- 統合失調症
- 急性一過性精神障害
- 気分障害(うつ、双極性障害)
- 適応障害
- パーソナリティ障害
- 発達障害
- 精神遅滞
- 精神作用性物質乱用
- 認知症
- 高次機能障害
- てんかん
- 抗NMDA受容体脳炎 などなど
もーねー、こんだけある精神疾患を一度に全て勉強しようとするのは無理です
私もカバーしきれてません
なので、自分が多く関わる方の持つ精神疾患から勉強を始めればいいのかなぁと思います
慢性期・療養病棟なら統合失調症
認知症病棟なら認知症
ストレスケア病棟なら気分障害や適応障害、パーソナリティ障害
依存症病棟なら精神作用性物質乱用
救急病棟や精神科訪問なら受け持ちや現在関わっている患者さんの精神疾患
自分の働く領域に多い疾患を優先順位をつけて勉強した方が良いよなあと思います
もちろん、それだけじゃいけないですけどね。
自分の対応する疾患を勉強し、そこから知識を拡げていければいいのかなぁと思います
精神神経疾患ビジュアルブック
とりあえず、見やすく、一通りの疾患を一覧で見るならばこの本をおススメします
精神神経疾患ビジュアルブックです
この本が一番分かりやすく、網羅されているのかなあと言った印象です
あとは疾患ごとにおススメの本を紹介したら、このページは本で埋め尽くされてしまうので、辞めておきます
精神科の記録を書く際におススメする本
精神科で働く際、疾患の知識の他にもう一つぶつかる壁があります
精神・心理状態を表す用語の知識です
この辺の知識、つまり語彙力が無いと、記録を書くのに困るんですよね
不穏や連合弛緩、など有名な言葉もありますが、そうでない精神状態を表す言葉も多いんですよね
例えば意識の量を表す言葉だと、意識混濁・無欲状・昏蒙・傾眠・身体科での昏迷・精神科での昏迷・昏睡・過度覚醒などなどありますが、わりと使い分け記録に残す必要に迫られる場合は多いです
身体科でもそうだと思いますが、精神科は記録が命です
患者さんを表現する記録を書けない事には、患者さんの人生に不利益を齎すことが往々にして存在する領域が精神科です
メンタルステータスイグザミネーション Vol.1
そんな精神・心理用語について勉強するのならこの本
他科に誇れる精神科看護の専門技術 メンタルステータスイグザミネーション Vol.1 第2版 です
Vol.1に患者さんの状態と、それに対応する精神・心理用語を事細かに書いているので、辞書的な使い方としてもお勧めです
なかなかここに書いてある用語を覚えるのは困難だと思います。でも、実際の患者さんの症状とこの本を照らし合わせて読むことで
MSEを用いた記録を書いていると、周りの看護師からも一目置かれるかもしれませんよ?
精神科の薬物療法
さて、次には薬物療法についてです
精神科で使われる薬も色々種類あります
- 抗精神病薬
- 抗不安薬
- 抗うつ薬
- 気分安定薬
- 睡眠薬
- 認知症治療薬
- ADHD治療薬
- 抗コリン薬
- 筋弛緩薬 などなど
これら一辺に勉強するのは到底無理ですし、ある程度絞って、そこから徐々に知識を増やすのが良きだよなあと意識低い看護師的に思います
とりあえず
・抗精神病薬
・睡眠薬
・抗不安薬
あたりの勉強から始めてみてはどうかなと思う次第ですね
薬効とかの勉強も大切ですけど、精神科看護では副作用のモニタリングも重要なお仕事になるので、そちらも合わせて勉強してもらえればと思います
悪性症候群などの重篤な副作用とかも大事ですが、誤嚥窒息・転倒転落・便秘などなど、日常生活を脅かす副作用も発生しますので、その辺ちゃんと見れるようにしときましょう
精神科の薬がわかる本
とりあえず、精神科の薬が分かりやすく網羅されていると私が思う本はこちら
精神科の薬がわかる本 第4版
この本が一番分かりやすかったなぁって印象です
薬について分かりにくい本読んじゃうと、ホント勉強する気失せちゃうので無理しない方がいいと私は思います
メンタルステータスイグザミネーション Vol.2
他科に誇れる精神科看護の専門技術 メンタルステータスイグザミネーション Vol.2
さっき紹介した本のVol.2です。
この本もお勧めですが、ちょっと難しめかなぁと思う印象です
上記の本を読んで物足りなかったらでいいのかなと思います
統合失調症薬物治療ガイド
入院患者さんで最も多い疾患は統合失調症です
そんな統合失調症の患者さんに対して「なんで先生はこういう処方をするの?」という疑問を抱くことがあると思います
そんな疑問に分かりやすく答えてくれるのがこの本
患者さん・ご家族・支援者のために 統合失調症薬物治療ガイドです
この本、患者家族向けに書かれている本なので滅茶苦茶分かりやすいです
精神科での基礎的な看護技術や急変時の対応
さて、精神科は身体科と比べ、急変が少ない領域と言われています
しかし、急変がないわけではありません
むしろ高齢化の進む精神科病院では、徐々に急変時の対応が迫られる場面は増えてきています
また、身体科で対応困難な精神疾患や認知症の患者さんが搬送される例も多く、身体科の知識がいらないというわけでもありません
さらに、精神科特有と言えるかもしれない自傷・他害により生命の危機に瀕する患者さんもいます
そんな場面に直面したとき「何も知らないので何もできません」では許されないのも精神科という職場です
新卒で精神科に就職された方などの場合も、身体の知識や技術は必要になってきます
ズルいくらいに1年目を乗り切る看護技術
新人看護師向けに書かれている本は数多く存在していますが、最近の本で私が一番分かりやすいなぁと思った本はこちら
ズルいくらいに1年目を乗り切る看護技術です
私も愛読しています。合わせて悲しいくらい人に聞けない看護技術: ズルカン2年生も良かったら買ってみてください
この手の本の中ではお手頃なのも魅力的ですよねー
精神科ならではのファーストエイド
精神科看護師としてこれは読んでおいて欲しいと思う本はこちら
精神科ならではのファーストエイド 搬送時サマリー実例付です
病棟に置いてあることも多い本ですね
精神科で起こりうる緊急時の対応などについて載っています
病棟に無かったら購入しときましょう
患者さんへの対応・コミュニケーション
さてさて、今まで知識的な面についておススメの本を紹介していきましたが、精神看護の本領を発揮する場面は患者さんへの対応ですよね
患者さんへの対応って、患者さんごとにガラッと変わりますし、対応の正解もありません
経験則だけで立ち回っていくベテラン精神科看護師さんもいますが、我ら年数の浅い看護師は経験の無さを知識で補う必要があると思います
※もちろん日々知識を更新している勉強熱心なベテランさんも多いです
年数の浅い精神科看護師は知識を身に着け、経験とマッチさせ、やがてプロフェッショナルとして成長していきます
もし、不勉強を公言しているけど素晴らしい対応をするベテラン看護師さんを見て「あ、私も勉強をしなくて良いのだな!」と思うのは愚の骨頂です
看護のためのフレームワーク
さて、我ら年数の浅い看護師は患者さんの問題解決に向けた援助に苦悩します
そもそも患者さんの問題の構造を把握できていないことも多いです
そんな時に参考になる本がこちら
専門的な思考を鍛える 看護のためのフレームワークです
フレームワークとは枠組み、体制を表す言葉です
この本では問題解決に向けた理論などのエッセンスがふんだんに散りばめられております
理論と言うと堅苦しいですが、分かりやすく図解してある本なのでとっつきやすいのかなとは思います
患者さんへのも以外にも、社会人として看護師を続けていく上で重要フレームワークも多く記載されているのでおススメです
看護師のための精神科でのコミュニケーションとケア
とりあえず、精神看護のコミュニケーションを分かりやすく学びたいという方はこちらの本
看護師のための精神科でのコミュニケーションとケアをお勧めします
マンガも交えながら解説している本になるので分かりやすいですね
コミュニケーションについて最初に学ぶのはこの本からがおすすめだなぁと思います
病気じゃないからほっといて そんな人に治療を受け入れてもらうための新技法LEAP
コミュニケーション技術についてもっと勉強したい、そんな方にはこの本をおススメ
病気じゃないからほっといて そんな人に治療を受け入れてもらうための新技法LEAPです
なんぞやそれ、って思う方も多いかもしれませんが一応LEAPというものの説明をすると
LEAPとは患者さんと医療者の意向が異なる時のコミュニケーション技法のことを言います
精神科で頻発する場面に向けたコミュニケーション技法と言えます
具体的に
- Listen(傾聴)
- Empathize(共感)
- Agree(一致)
- Partner(協力)
- Delaying tool(遅らせる)
- Opinion(和らげ)
- Apologize(謝る)
という7つのツールを使って患者さんと介入してくもんだど思っていただければなあと思います
看護師ブロガー仲間のハチさんが【必見】精神科看護師5年が使う魔法のコミュニケーション技術『LEAP』を徹底解説という記事を書いておりますので、そちらもご覧いただけたらなあと思います
まとめ
今回は【精神疾患に携わる看護師さんに現役中堅精神科看護師がお勧めする本】というテーマで 記事を書いてみました
今回あれこれ本を紹介しましたが、ぶっちゃけ全部買わなくて良いです
働きながら短期間でこれだけの本を網羅するのは不可能です
自分が優先順位高いかなと思った所から勉強していけばいいんじゃないでしょうか
無理せず、精神科看護師ライフを送っていただければなと思います
またね!
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